星と花の写真館Blog

星と花の写真とエピソードをメインにしたブログです。

涼しさと景色と星空を満喫 立山 雷鳥沢キャンプ場

 今年の異常な暑さを避けるため、夏休みの期間に標高2000mを超える立山雷鳥沢キャンプ場へキャンプに行ってきました。

 関東の平野部では、35℃を超える暑さの中セミの声が響いていますが、立山の室堂バスターミナル付近では、ホーホケキョというウグイスの呑気な鳴き声が聞こえます。

 ここは、別世界です!

 気温は昼間でも20℃くらいで4月頃の気候のような感じです。今回は、そのような立山の風景や星空を紹介したいと思います。

 ただし、普段特に運動している訳でも登山経験が豊富な訳でもなく、体力や技術や装備の面で厳しいので山には登りません。行って帰って来れるのは、雷鳥沢キャンプ場までかなと思っていましたが、実際にテントや寝袋や食事やカメラや三脚など約20kgの荷物を背負うとキャンプ場まで移動するだけでも過酷な状況でした。

目次 

 

室堂バスターミナル

 今回は、長野県側の扇沢から立山黒部アルペンルートを使って室堂バスターミナルまで移動します。往復で大人1人9050円の料金がかかります。往復券は5日間有効です。

 まずは、関電トンネルトロリーバスを使い扇沢から黒部ダムへ行きます。黒部ダムの上を徒歩で歩いて渡り、黒部ケーブルカーで黒部湖から黒部平へ、そのあと立山ロープウェイで黒部平から大観峰へ、大観峰から立山トンネルトロリーバスに乗り立山室堂バスターミナル(標高2450m)に到着します。4つの乗り物を乗り継いでやっと到着です。平日に乗ったので、乗車客は多くなかったと思いますがそれでも結構混み合い、大きな荷物を持って乗り継ぎを行うと、ザックを持ったり下ろしたりで、それだけで体力が削られていきます。

 室堂バスターミナルの建物を出ると、立山連峰の山並みが間近に見えます。f:id:hoshi-hana:20180803100701j:plain

 上の写真の右側の山が浄土山(標高2831m)、左側の山の雄山(標高3003m)や大汝山(標高3015m)などです。みずみずしい植物の緑と山肌や雪渓の白、空の青さや雲の白さなど爽やかさが溢れています。ちなみに空の色は、標高が高い程その青さが増していくと昔読んだ「空の色と光の図鑑」という本に書いてありました。立山でみる青空は、平地でみる青空とは違う青さなのです。

 周囲の景色を楽しみながらという程の余裕もなかったのですが、雷鳥沢キャンプ場まで歩いていきます。室堂バスターミナルから雷鳥沢キャンプ場までは、標準で行きが35分、帰りが45分の行程だそうです。

 

みくりが池

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 室堂バスターミナルから10分ほど歩くとみくりが池に着きます。風がなく波立っていなければ、立山連峰の山々がみくりが池の水面に映し出される印象的な光景が見られるとのことですが、残念ながら今回そのような光景は見られませんでした。周辺には、まだ雪が溶けずに残っており、見ているだけでも涼しさを味わえます。

 

地獄谷

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 地獄谷は、火山ガスや温泉が噴出しているエリアです。その影響で、地獄谷周辺の景色は、周囲の山々とは違った様相になっており、そのコントラストや色彩が面白いです。

 左側の方へ視線を向けると、蒸気が上がっている噴出口が見えます。火山ガスに含まれる硫化水素の臭い匂いが漂っています。風向きによっては、雷鳥沢キャンプ場の方へも少し流れてくるようで、キャンプしている最中も時折、この匂いを感じました。

 地獄谷で湧いている温泉は、周辺の宿泊施設に引き込まれており、そこで温泉につかることができます。自分は、キャンプ中「みくりが池温泉」に入ったのですが、源泉かけ流しの乳白色の単純酸性泉で、窓から見える外の景色と共に、疲れが癒されるとても良い温泉でした。f:id:hoshi-hana:20180803100933j:plain

 

雷鳥沢キャンプ場

みくりが池や地獄谷などを見ながら歩いていくと、眼下に今回泊まる雷鳥沢キャンプ場が見えてきます。キャンプ場までは、急な下り坂があり、重い荷物を背負った状態では、足に負担がかかってきます。キャンプ場には、管理棟に水場とトイレがあり、利用料金は、一泊500円、2泊以上1000円です。

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 キャンプ場に到着し、重い荷物を背負って疲れた体で、四苦八苦しながらテントの設営を終えた後にコーヒーで一服。下の写真は、日がだいぶ傾いた午後6時頃の山々の景色です。

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 今回2泊3日で立山を散策してきましたが、立山の一日の天気の変化は、同じような傾向でした。朝⇒快晴、昼⇒雲が湧く、午後3時頃⇒雲が空を覆う、夕方⇒雲が切れ夕日が差し込む、夜⇒晴れ渡る、という具合です。

 夕方、雲の切れ間から光が差し込み山々の一部を照らし出す頃の景色が一番きれいだと感じました。

 足元付近に咲いている小さな白い花々は、「チングルマ」という高山植物です。立山では至る所でよく見られました。

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 景色の良い高山でのキャンプということで、バーナーでお湯を沸かしてコーヒーや紅茶を飲んできましたが、一番美味しいと感じたのは、立山の湧き水そのものでした(^_^;)

 室堂ターミナル前の広場には、「玉殿の湧水」という湧き水を飲める場所があります。

「玉殿の湧水」は、立山の主峰である雄山(標高3003m)の直下を貫く立山トンネルの中央部分から湧き出ている水だそうです。

その冷たくひえた湧き水が今回一番体に染み渡りました。

 

立山 雷鳥沢キャンプ場の星空

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 今回は、2泊キャンプすることにしました。2泊すれば、1日は天気が悪くても、もう1日で星空が見れるだろうと考えていたのですが、今回は両日とも天気が良く星空が楽しめました。立山連峰浄土山に架かる夏の天の川の下、キャンプ場に張られた色とりどりのテントがランプの明かりで浮かび上がります。雷鳥沢キャンプ場は、登山の為に利用する人が大半のため、夜寝るのは早いです。夜のテントに明かりが灯っている時間は、とても短かいです。上の写真では、PhotoshopElementを使用して星空の部分と地上の部分で別々に明るさやコントラストの調整を行ってみました。

 

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 天の川の様子をメインに撮ると上の写真のような感じです。標高が高いことで空気が澄んでいて天の川の様子が、いつもより鮮明な感じがします。光害の影響も比較的少なく星や天の川がよく見えました。

 写真は南側の空の様子です。キャンプ場の周囲は山に囲まれているのですが、高い木が生えていないため、視界はあまり狭くは感じません。頭上に一面の星空が広がります。

 日が暮れると気温が下がり急に寒さを感じるようになります。明け方には、気温は13℃まで下がっていました。星空を楽しむためには、暖かい服装の用意が必要になります。

 

あとがき

 涼しかった立山を去り、また灼熱の自宅に帰ってブログを書いています。

今回は、いつもとは違い、自動車で行けない場所まで歩いて移動して、星空を見ることにしてみました。重い荷物のせいで少し背が縮んだかもしれませんが、自宅に戻り脚の筋肉痛が和らぐと体が凄く軽く感じます。そして相変わらずの地獄のような暑さです。食糧をもっと持っていければ、もう少し長く立山でキャンプを続けられたのにと残念に感じています。涼しさを求めてまた山に行かないと、と考えています。

 雷鳥沢キャンプ場の星空も良かったのですが、どちらかというと昼間の山の景色と涼しさがとても印象的な旅になりました。

 

場所

富山県立山雷鳥沢キャンプ場

 

撮影に使用した機材の紹介

ポータブル赤道儀

撮影に使用したポータブル赤道儀は、kenkoのスカイメモSです。(微動雲台、アリガタプレート、バランスウェートは使用していません) 今回は、ポータブル赤道儀と三脚を

担いで、雷鳥沢キャンプ場までの山道を歩きました。

Kenko ポータブル赤道儀 スカイメモS レッド 455173

Kenko ポータブル赤道儀 スカイメモS レッド 455173

  • 発売日: 2015/04/21
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

ポータブル赤道儀を購入する際に、Vixenのポラリエと迷ったのですが、スカイメモSの形の方が一般的な天体望遠鏡赤道儀と同じフォルムで安心感があったこともあり、スカイメモSを選びました。

実際にカメラ用三脚に取り付けて撮影しようとすると天体望遠鏡赤道儀に比べ安定感がなく、大丈夫かなと心配になりましたが、現状では期待以上の結果を出してくれています。

※この手のポータブル赤道儀を使用してカメラで星空を撮影する場合は、三脚とポータブル赤道儀の固定用とポータブル赤道儀とカメラの固定用に2個の雲台が必要です。

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hoshi-hana.hatenablog.jp

 

カメラ

カメラは、Canon EOS70Dを使用しています。

星空の撮影をしていて、思いのほか役に立っているのがWi-Fi接続機能です。iPadiPhoneとカメラをWi-Fi接続することで、iPadiPhoneなどのスマホタブレット端末からワイヤレスで基本的なカメラ操作(レリーズ、絞り、ISO調整など)ができ、撮影した写真の確認もスマホタブレット上ですぐにでき、各値の調整に役立っています。

星空の撮影では露出時間が必要なため、以前であれば長時間、夏の蚊や冬の寒さにさらされていたのですが、ワイヤレスになったことでカメラのセッティングができれば、撮影は近くに停めた車の中から出来るようになりすごく快適になりました。

現在EOS70Dの後継にあたるEOS90Dが発売されています。

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 90D ボディー EOS90D

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 90D ボディー EOS90D

  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

レンズ

最近、星空の撮影用に追加で購入したのが、シグマ18-35mm F1.8 DC HSMです。

 広角側の焦点距離は18mmで、シグマ10‐20mm F3.5やTOKINA AT-X11-20mm F2.8よりも視界は狭くなりますが、シグマ18-35mm F1.8の魅力は何といってもF1.8という明るさです。これまで主に使用していたシグマ10‐20mmF3.5に比べて4倍明るいため、これまでより露出時間を1/4に短くすることができます。

 天の川の撮影には、F3.5、ISO1600の設定で1~2分の露出時間で撮っていたのが、シグマ18-35mmF1.8では、15~30秒程で済むことになります。赤道儀を使って星景写真を撮る場合、露出時間が長いと地上の景色が流れるのが気になるのですが、そのような問題を緩和してくれます。もしかしたら、赤道儀を使用しなくても星を点で写せるレベルです。画像もシャープで、これからの撮影で出番が増えそうな感じです。

 

 シグマ18-35mm F1.8 DC HSM キャノン用へのリンク(スポンサーサイト)

SIGMA 標準ズームレンズ Art 18-35mm F1.8 DC HSM キヤノン用 APS-C専用 210540

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