星と花の写真館Blog

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関東の天の川撮影スポット 神奈川県三浦市 馬の背洞門

 神奈川県三浦市にある馬の背洞門は、関東での天の川の撮影スポットとして有名です。

ネット上には、馬の背洞門で撮影された天の川の写真が数多くありますが、光害の激しい関東で本当に天の川が見られるのかな?と半信半疑で現地に行ってきました。

ちなみに行ったのは、今年(2019年)の5月です。

【目次】

 

馬の背洞門の場所

 馬の背洞門は、神奈川県の南端三浦半島の先端に浮かぶ城ケ島にあります。都心から自動車でのアクセスは比較的よく、高速道路など有料道路を利用すれば、1時間半もかからずにたどり着ける距離にあります(渋滞さえなければ・・・)。

ということで、近いのは良いのですが、逆に光害の影響が気になります。

 

馬の背洞門への行き方

 自動車で城ケ島に渡るには、有料の城ケ島大橋を渡る必要がありますが、料金はそれほど高くありません。5ナンバーで100円、3ナンバーで150円です。料金は、城ケ島に入る時に現金で支払い、帰りには払う必要がないため、上記の金額は往復料金です。

 さらに料金所には営業時間(午前8時~午後7時、11月1日~2月末の間は、午前8時~午後6時)があり、営業時間以外は無料です。(営業時間以外でも橋の通行は可能)

 そのため、夜に星を見に行く時には、営業時間外に橋を通れば、無料で渡ることもできます。

2021年追記(城ケ島大橋は無料化されています。) 

 

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馬の背洞門へ行くには、駐車場に車を駐車して歩く必要があります。

一番近い駐車場は城ケ島公園第1駐車場(有料)ですが、夜間は閉鎖されてしまいます。

そのため、夜間に駐車する際は、24時間営業している西側駐車場(有料)等に駐車する必要があります。

島内の道路は駐車禁止で、夜間もパトカーが巡回していたりするので、歩く距離は長くなりますが、駐車場に駐車しておきましょう。f:id:hoshi-hana:20190630020627j:plain

 

城ケ島公園第1駐車場から歩道を少し歩くと馬の背洞門へ続くハイキングコースの入口があります。

ミウのオブジェと案内板が目印です。ここから馬の背洞門まで450m歩きます。

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両側に木が茂った、舗装されていない道が続きます。

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途中には、分かれ道などがありますが、案内板に従って歩いていきましょう。

夜間だと、暗くて見つけづらくなるので、懐中電灯で周囲を照らしながら、よく注意して歩く必要があります。

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馬の背洞門に近づくと道が下りはじめます。階段があり、特に夜間は暗くて歩きづらくなります。

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視界が開けると眼下に馬の背洞門が見えてきました。海岸まで階段を下っていきます。

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馬の背洞門に着きました。海岸付近は、磯場になっており広いスペースがあります。

馬の背洞門を撮影するだけならば、どこからでも撮れますが、天の川と一緒に撮影しようとすると撮影場所は、限定されてしまいます。

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馬の背洞門での天の川の写真

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 夜中、暗い道を歩いて馬の背洞門まで行きました。

肉眼でもかすかに天の川が確認できますが、残念ながら上の写真のように、はっきりと見える訳では、ありませんでした。

写真では、天の川が良く見えるように明るさやコントラストを調整しています。

馬の背洞門は、星を見るより撮影する方に向いているスポットだと感じました。

 

 真夜中なので人は少ないと思っていたのですが、撮影者は思ったより多くいました。最大で10名以上になったでしょうか。

上の写真は、馬の背洞門の写真ではよくある構図の1枚ですが、みなさん同じような構図で撮ろうとするため、同じポイントに集まります。 

 条件の良い日は、もっと多くの人が集まると思われるため、すこし早めに行って撮影場所を確保しておく必要があるかもしれません。

 

 灯台の明かりが、周辺を15秒間隔で照らしていたため、その明かりで洞門の岩肌も写るかなと思っていたのですが、天の川を強調した処理にすると馬の背洞門は、完全にシルエットになってしまいました。

 今回は、ソフトフィルターを使用して、星を大きくぼかしているため、少し幻想的な雰囲気になっています。

 

撮影場所の周辺は、磯場で足元があまり良くありません。

所々に潮溜まりがありますが、夜に懐中電灯の明かりで見ると、どこに水が溜まっているのがか非常に分かりずらいのです。

自分自身も潮溜まりに足を突っ込んで靴を濡らしてしまいました。その影響もあって早めに撮影を切り上げることになりました。

馬の背洞門での星空の撮影には、特に注意して慎重に歩く必要がありますね。

 

 

馬の背洞門の上に天の川が見られる時間帯

上の写真のように馬の背洞門の上に天の川が掛かって見られる時間帯は、以下の通りです。

3月15日頃・・・・午前  4時00分頃

4月  1日頃・・・・午前  3時00分頃

4月15日頃・・・・午前  2時00分頃

5月  1日頃・・・・午前  1時00分頃

5月15日頃・・・・午前  0時00分頃

6月  1日頃・・・・午後11時00分頃

6月15日頃・・・・午後10時00分頃

7月  1日頃・・・・午後  9時00分頃

7月15日頃・・・・午後  8時00分頃

 

月が出ていると、月明かりにより天の川や星雲など光の弱い天体が見えにくくなります。

星空を見るときは、月の出時刻や月の入り時刻なども確認しておきましょう。

本日の月の出や月の入り時刻などが確認できる、国立天文台の暦のページへのリンクです。

国立天文台 天文情報センター 暦計算室

 

写真内で一番明るく輝いているのは、木星です。

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星空に関する書籍の紹介

 

撮影に使用した機材の紹介

ポータブル赤道儀

今回の撮影に使用したポータブル赤道儀は、kenkoのスカイメモSです。(微動雲台、アリガタプレート、バランスウェートは使用していません)

 

ポータブル赤道儀を購入する際に、Vixenのポラリエと迷ったのですが、スカイメモSの形の方が一般的な天体望遠鏡赤道儀と同じフォルムで安心感があったこともあり、スカイメモSを選びました。

実際にカメラ用三脚に取り付けて撮影しようとすると天体望遠鏡赤道儀に比べ安定感がなく、大丈夫かなと心配になりましたが、現状では期待以上の結果を出してくれています。

※この手のポータブル赤道儀を使用してカメラで星空を撮影する場合は、三脚とポータブル赤道儀の固定用、ポータブル赤道儀とカメラの固定用に2個の雲台が必要です。

hoshi-hana.hatenablog.jp

 

カメラ

カメラは、Canon EOS70Dを使用しています。

星空の撮影をしていて、思いのほか役に立っているのがWi-Fi接続機能です。iPadiPhoneとカメラをWi-Fi接続することで、iPadiPhoneなどのスマホタブレット端末からワイヤレスで基本的なカメラ操作(レリーズ、絞り、ISO調整など)ができ、撮影した写真の確認もスマホタブレット上ですぐにでき、各値の調整に役立っています。

星空の撮影では露出時間が必要なため、以前であれば長時間、夏の蚊や冬の寒さにさらされていたのですが、ワイヤレスになったことでカメラのセッティングができれば、撮影は近くに停めた車の中から出来るようになりすごく快適になりました。

現在EOS70Dの後継にあたるEOS90Dが発売されています。

EOS90Dはデジタル一眼レフですが、現在の主流はミラーレス一眼に移っています。

 

レンズ

今回の星景写真では、シグマ10-20mm F3.5 EX DC HSMを使用しています。星空のみ写真ではあまり変化がないため、地上の景色と一緒に撮影する星景写真において、EOS70DのキットレンズEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMでは、星空と景色を一緒に広範囲にとらえきれないため、より広角のレンズを購入しました。その後、TOKINA AT-X 11-20 PRO DX CAFが発売され、星空の撮影用として評判が良いようです。

 

SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用 202545

SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用 202545