星と花の写真館Blog

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富士山と星空を見に本栖湖へ

 現行の千円札の裏側にデザインされている富士山は、富士五湖の一つの本栖湖から見た眺めだそうです。今回は、そのような日本を代表する山である富士山を間近で見ようと山梨県身延町本栖湖に行ってきました。

目次

 

きっかけ

 東海道新幹線東名高速道路の車窓など静岡県側から富士山を見ることは、これまでも結構あったのですが、富士五湖など山梨県県側から富士山を見ることは、あまり無かった様に思います。そして、これまで何度も東海道新幹線に乗りその度に富士山の方角を確認したのですが、富士山全体の姿をはっきりと確認できた回数は、あまり多くは無かったと思います。大抵は雲に遮られて見えない、または、見えても一部のみという感じでした。あんなに巨大な山なのに、雲に隠れると近くにありながら、その存在すら全く認識できないというのは、すごく不思議な感じがします。

 冬になると、晴れる日が多くなり空気も澄んできて、関東平野からでも富士山が見れる日も多くなるため、この機会に山梨県側からの富士山を見に行きたいと思いました。

 

 

富士山頂の残照

f:id:hoshi-hana:20180122170856j:plain 上の写真は、本栖湖から見た夕日の残照により赤く染まる富士山の様子です。本栖湖畔の中ノ倉峠展望台下の道路より撮影しています。近くに駐車場があり、歩道が広く視界を遮る木々が少ないため、多くの人がカメラを構えて集まっていました。本栖湖から見た富士山は、間に視界を遮る木や山が無いため、富士山のなだらかで雄大山麓本栖湖を挟んで自分のいる位置まで続いていることが見てとれ、自分がいま富士山の裾野に立っているという感覚を強く感じさせます。

 

 撮影した日は快晴で空気も澄んでおり、富士山がはっきりと鮮明に見えていました。風は微かに感じられる程度で、本栖湖の水面に映る逆さ富士が見られるかなとも期待したのですが、湖面は波立っており、残念ながら逆さ富士は見ることが出来ませんでした。以前にこのブログで紹介した江川海岸の時にも感じたのですが、逆さ富士などのリフレクションは、本当に見れる条件が厳しいですね。

 撮影地の本栖湖岸では既に日が暮れていますが、富士山の山頂付近は標高が高いため、まだ夕日に照らされて積った雪が赤く輝いていました。上の写真では、富士山山頂部の赤さを実際に見た感じより強調するように少し色調を修整しています。

 

本栖湖から見た富士山と星空

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 今回は、富士山を前景に星の日周運動の撮影にトライしてみました。これまでだと星が点で写るように撮影するため、ポータブル赤道儀を使用して星の日周運動に合わせてカメラを動かしながら撮影したり、ポータブル赤道儀を使用しないときは露出時間を短くして撮影しているのですが、日周運動の撮影では、カメラを固定して露出時間を長くして、星が曲線を描くように写します。出来るだけ露出時間を長くして星が描く線を長くしたいと思っていましたが、トラブルにより10分程度しか連続して撮影できませんでした。初トライだとトラブルがつきものですが、ちょっと残念です。それでも星の日周運動が分かる写真になっていたので、ちょっと嬉しい。

 星の日周運動を撮影するにあたって、今回はセオリー通り?に1枚当たり数秒間の露出時間で何枚も連続して撮影し、それを後でPC上で比較明合成を行うという方法を採りました。

 ネット上で情報を調べてみるとCANONのカメラで撮影する場合、1枚当たりの露出時間を6秒以下に抑えないと、比較明合成をした後でも星の軌跡が途切れ、連続した曲線として写らないという話がありましたが、今回はどういう現象が起こるかを確認する意味を込めて、1枚当たり30秒という露出時間で撮影しています。

 その結果は、やはりそのまま比較明合成を行っただけでは、30秒ごとに星の軌跡が途切れてしまっているのがはっきりと分かる状態でした。そこで、比較明合成後「ぼかし」フィルターを使用して、星の軌跡がつながるよう補正を行っています。しかしそれでも写真の右上隅の方は、「ぼかし」きれていない状態です。「ぼかし」を強くしすぎると地上の風景がぼやけてしまい、それもイマイチだと思ってしまいます。

 やはり、ここは日周運動撮影の6秒ルールを順守すべきなのか?

 

1月31日の皆既月食を富士山と一緒に撮影できるか?

 今回本栖湖に富士山を撮影しに行った理由の1つとしては、1月31日の皆既月食を富士山と一緒に写せないかと思い、その下見という意味もありました。しかし残念ながら1月31日の月は「かに座」付近にあり、月食が起こる時間帯には富士山よりはるか上空に見えるため、皆既月食と富士山を一緒に写すためには、今回使用したような広角レンズを使用する必要があることが分かりました。月をなるべく大きく撮りたいという思いもあるため、皆既月食の撮影は別の場所を考えたいと思います。

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撮影地

山梨県身延町 中ノ倉峠展望台下

中ノ倉峠展望台にも登ろうと考えていたのですが、かなり道が急だったので諦めました。

 

 日を改めて中ノ倉峠展望台に登ってきました。細くて急な登山道を、踏み外したら命はないかも、とか思いながら30分程度かけて登っていくと展望台にたどり着きます。登山道の入口の駐車場が眼下に小さく見えるくらいまで、急斜面を登ったところにあります。中ノ倉峠に到着すると富士山方面に開けている斜面に結構しっかりした展望スペースと案内板が設置されています。案内板によると、本栖湖の逆さ富士は、年に数回程度、気象条件が整った時にしか見れないまれな光景であるとのことです。

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 今日のようなネット時代においては、富士山のリアルタイムの様子は下記リンクのようなライブカメラでも確認できたりしますが、ライブカメラでの様子も参考に、是非とも一度は現地で見てみて下さい。

富士山ライブカメラ

 

撮影に使用した機材の紹介

カメラ

カメラは、Canon EOS70Dを使用しています。

星空の撮影をしていて、思いのほか役に立っているのがWi-Fi接続機能です。iPadiPhoneとカメラをWi-Fi接続することで、iPadiPhoneなどのスマホタブレット端末からワイヤレスで基本的なカメラ操作(レリーズ、絞り、ISO調整など)ができ、撮影した写真の確認もスマホタブレット上ですぐにでき、各値の調整に役立っています。

星空の撮影では露出時間が必要なため、以前であれば長時間、夏の蚊や冬の寒さにさらされていたのですが、ワイヤレスになったことでカメラのセッティングができれば、撮影は近くに停めた車の中から出来るようになりすごく快適になりました。

現在EOS70Dの後継にあたるEOS80Dが発売されています。 

 

レンズ

レンズは、EOS70Dのキットレンズとともにシグマ10-20mm F3.5 EX DC HSMを使用しています。星空のみ写真ではあまり変化がないため、地上の景色と一緒に撮影する星景写真において、EOS70DのキットレンズEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMでは、星空と景色を一緒に広範囲にとらえきれないため、より広角のレンズを購入しました。その後、TOKINA AT-X 11-20 PRO DX CAFが発売され、星空の撮影用として評判が良いようです。

 

SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用 202545

SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用 202545