星と花の写真館Blog

星と花の写真とエピソードをメインにしたブログです。

棚田に咲く彼岸花 埼玉県横瀬町 寺坂棚田

夏が過ぎ、秋の気配が漂うもののまだ暑さが残っているこの時期は、彼岸花の季節です。また、収穫前の稲穂が黄金色に輝く時期でもあります。

今回は、そのような黄金色の稲穂と真紅に燃える彼岸花の景色を見るために、埼玉県横瀬町の寺坂棚田に行ってきました。

目次

 

寺坂棚田の様子

 

 寺坂棚田は、秩父盆地の東側、武甲山を望む傾斜地にあります。近くには、国道299号線西武秩父線が走っており、関東近辺からのアクセスが良い場所です。

 一般的に棚田は、傾斜面に不規則な形の小さな田んぼが並んでいるため、米作りとしては、労力やコストがかかり、耕作放棄地となる場所が多くあります。

 そのような中で、寺坂棚田は稲作体験や棚田オーナー制度などにより、耕作放棄地を再生し、棚田の景観を維持しているため、昔ながらの棚田の景色を楽しめる場所となっています。観光客のために駐車場やあぜ道が整備されているため、観光客用のあぜ道を使い棚田を散策して回ることができます。(農作業用のあぜ道は立ち入り禁止になっていますので、立ち入り禁止の場所には、決して立ち入らないようにしましょう。)

 

f:id:hoshi-hana:20180918000609j:plain

 

 棚田は地形に合わせて田んぼが造られているため、それぞれの田んぼの形が違い、見る地点によって景色が変わってきます。あぜ道を歩きながら棚田を見るといろいろな表情を見ることができます。寺坂棚田は傾斜が比較的緩やかなため、楽に歩き回ることができます。

 観光客はそこそこいますが、混雑するような感じではなく、自分のペースで歩き回ることができました。

 田んぼを縁取るあぜ道には、秋の彼岸の時期に真っ赤な彼岸花が一斉に咲いて田んぼに彩りを加えています。 彼岸花の見頃は、9月中旬~下旬頃。

f:id:hoshi-hana:20180918000748j:plain

 

f:id:hoshi-hana:20180918000831j:plain

 

黄金色に輝く田んぼとそれを赤く縁取る彼岸花の風景は、長い年月にわたり日本人の記憶に受け継がれてきた風景です。農業を経験したことのない自分にとっても、懐かしさや安らぎといったものを感じます。

 彼岸花は一斉に咲くため、花が見られる期間がとても短いのです。ブログを書くのが遅くなったため、この記事の写真は彼岸前に撮ったもので、今年の彼岸花のシーズンは過ぎてしまいました。

しかし、寺坂棚田は彼岸花の季節以外でも、四季折々の風景を見せてくれます。

 特に毎年7月の初旬には、かがり火まつりが開催され、水が張られた棚田をかがり火で照らし出す幻想的な光景が見られます。今年は行けなかったのですが、来年は、是非とも行きたいと思っています。

 

撮影場所

 埼玉県横瀬町 寺坂棚田

電車:

西武鉄道 西武秩父駅横瀬駅下車。徒歩15分

 

自動車:

国道299号沿い町民会館駐車場利用。徒歩8分

・寺坂棚田南側駐車場利用。棚田の目の前ですが、駐車できる台数は少ないです。棚田でイベントが開催される時などは閉鎖されるようです。

 

星空とひまわり2018 新潟県津南町ひまわり広場

 今回は、新潟県津南町のひまわり広場にひまわりを見に行きました。

 日本の各地に観光用のひまわり畑がありますが、それぞれの畑で少しづつ見頃の時期が違ってきます。津南町ひまわり広場では、4ヘクタールのひまわり畑を3つに分けて咲く時期をずらして長期間ひまわりが見られるようにしているそうです。8月中旬は、第三畑のひまわりが見頃となっていました。

 ひまわり広場の入場は無料ですが、駐車場料金として普通車は300円、バイクは100円かかります。駐車場の近くに露店が立ち、簡易トイレが設置されていました。

 2018年の開園期間は7月27日~8月19日で、その内、8月10日~8月16日の期間は夜21時までライトアップがされています。そのライトアップされた夜のひまわりを目当てに行ってきました。

目次

 

夕暮れ時のひまわり

f:id:hoshi-hana:20180814114654j:plain

 夕方近くに現地に着きましたが、周囲は結構賑わっています。今年の夏は、いつもより暑くて雨の少ない日々が続いたのですが、ひまわり広場のひまわりは、しっかりと力強く咲いていました。夕焼けに染まろうとする空を背景にしたひまわりの様子は、涼しげな感じもしますが、実際は、風もなく湿気も多かったためとても暑く感じる日でした。

周囲には木陰なども少ないため、暑さと日差しへの対策をして出かける必要があります。

 

ひまわり畑のライトアップ

 津南町ひまわり広場では、今年(2018年)は8月10日(金)~16日(木)の期間だけ17時~21時までひまわり畑のライトアップが行われています。下の写真は、ライトアップされたひまわり畑の様子です。

f:id:hoshi-hana:20180814114739j:plain

 ひまわり畑の周囲は、普通の畑が広がっているため人家等の明かりが少なく暗闇が広がっています。その暗闇の中で、ライトアップされたひまわりが黄色に輝きます。その様子は、どこまでも遠くまでひまわり畑が続いているような感覚にさせます。

 ひまわり畑をライトアップしているというのは結構珍しいのですが、昼間に見る景色とは違い、とても幻想的な光景です。津南町ひまわり広場では、発電機と投光器を並べてひまわり畑を広範囲に照らし出しています。そのため、個人的に懐中電灯などで一部を照らして撮影する場合と違い圧倒的な迫力がありました。

 ライトアップの時間は露店は閉まっていましたが、観光客はまだ結構多くいて、思い思いに眺めを楽しんでいる感じでした。

 ライトアップされたひまわり畑は、とても良い雰囲気でした。

 

星空とひまわり

f:id:hoshi-hana:20180814114826j:plain

f:id:hoshi-hana:20180814172310j:plain

 ライトアップが終了し、観光客も大方帰ったあと、星空の下に静かに咲いているひまわりの様子です。

 新潟県津南町には、天の川が見れるくらい十分に光害の少ない夜空が広がっています。そして、ひまわり広場は台地の上にあるため、周囲の見晴らしがよく、ひまわりと星空を一緒に撮影するには、絶好の条件がそろっている場所でした。

 星空とひまわりを一緒に撮影しようとする場合には、ライトアップの光は強すぎるので、ひまわりだけが明るく写ってしまい星空が写らない、というように明るさのバランスが取れなくなってしまいます。そのため、ライトアップの終了を待ってから撮影する必要があります。

 また、ひまわりは、ほぼ同じ向きに花を咲かせます。その方向によってどの方向の星空を背景にできるかが決まってきます。ひまわりは、だいたい東から南向きに咲いているのですが、どちら向きに花が咲いているかは、現地に行って見てみないと分からなかったりします。

 ここのひまわりは、東向きに咲いていました。なので、西側の星空を背景にすることができます。これはラッキーです。もし、ひまわりが南向きに咲いていると北側の星空を背景にするため、天の川や夏の大三角と一緒にひまわりを撮影することが難しいのですが、西側の星空を背景にできるということは、天の川が西側に傾くまで待てば、天の川や夏の大三角と一緒にひまわりを撮影できるからです。

 月は新月に近いため一晩中出ることはなく、夏の天の川が西側に傾く午前2~3時頃が撮影にベストな時間帯かな、ということで待つことになりました。

 しかし、この夜は天気が良くなく、雲が星空を覆い始めました。湿気も多くてあまり良いコンディションではなかったのですが、予定より少し早い時間に、わずかだけ雲が切れ、星空が広がった時間帯があり、その間だけ撮影することができました。

 上の写真に写っている明るい2つの星は、「わし座」のアルタイルと「こと座」のベガです。夏の大三角を形づくるもうひとつの星である「白鳥座」のデネブは、撮影時間が早かったためフレームに収まりませんでした。

 この夜は、ペルセウス座流星群の明るい流れ星も時折流れるような、暦としては絶好の条件だっただけに、もうちょっと天気が良ければ、と思わざるを得ない日でした。

 

撮影場所

新潟県津南町ひまわり広場

 周囲は畑が広がり目標となるものがないため、ナビでは場所が設定しづらかったりします。近くまで来ると案内板が立っているため、それを頼りにたどり着くことができます。畑の中に突如としてひまわり畑が現れる感じです。駐車場のスペースは広いのですが、昼間は観光客も多くそこそこに混雑していました。

 津南町ひまわり広場へのリンク

最新の開花状況やイベントの情報などが確認できます。

津南町観光協会公式サイト「津南彩発見」--- 津南ひまわり広場 ---

 

 

撮影に使用した機材の紹介

ポータブル赤道儀

今回の撮影に使用したポータブル赤道儀は、kenkoのスカイメモSです。(微動雲台、アリガタプレート、バランスウェートは使用していません)

Kenko ポータブル赤道儀 スカイメモS レッド 455173

Kenko ポータブル赤道儀 スカイメモS レッド 455173

  • 発売日: 2015/04/21
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

ポータブル赤道儀を購入する際に、Vixenのポラリエと迷ったのですが、スカイメモSの形の方が一般的な天体望遠鏡赤道儀と同じフォルムで安心感があったこともあり、スカイメモSを選びました。

実際にカメラ用三脚に取り付けて撮影しようとすると天体望遠鏡赤道儀に比べ安定感がなく、大丈夫かなと心配になりましたが、現状では期待以上の結果を出してくれています。

※この手のポータブル赤道儀を使用してカメラで星空を撮影する場合は、三脚とポータブル赤道儀の固定用とポータブル赤道儀とカメラの固定用に2個の雲台が必要です。

f:id:hoshi-hana:20180215221004j:plain

 

hoshi-hana.hatenablog.jp

 

カメラ

カメラは、Canon EOS70Dを使用しています。

星空の撮影をしていて、思いのほか役に立っているのがWi-Fi接続機能です。iPadiPhoneとカメラをWi-Fi接続することで、iPadiPhoneなどのスマホタブレット端末からワイヤレスで基本的なカメラ操作(レリーズ、絞り、ISO調整など)ができ、撮影した写真の確認もスマホタブレット上ですぐにでき、各値の調整に役立っています。

星空の撮影では露出時間が必要なため、以前であれば長時間、夏の蚊や冬の寒さにさらされていたのですが、ワイヤレスになったことでカメラのセッティングができれば、撮影は近くに停めた車の中から出来るようになりすごく快適になりました。

現在EOS70Dの後継にあたるEOS90Dが発売されています。

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 90D ボディー EOS90D

Canon デジタル一眼レフカメラ EOS 90D ボディー EOS90D

  • 発売日: 2019/09/20
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

レンズ

レンズは、EOS70Dのキットレンズとともにシグマ10-20mm F3.5 EX DC HSMを使用しています。星空のみ写真ではあまり変化がないため、地上の景色と一緒に撮影する星景写真において、EOS70DのキットレンズEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMでは、星空と景色を一緒に広範囲にとらえきれないため、より広角のレンズを購入しました。その後、TOKINA AT-X 11-20 PRO DX CAFが発売され、星空の撮影用として評判が良いようです。

 

SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用 202545

SIGMA 超広角ズームレンズ 10-20mm F3.5 EX DC HSM キヤノン用 APS-C専用 202545

 

 

 

その他、星空とひまわりの撮影には、ソフトフィルターを使用しています。

ソフトフィルターの紹介についてはこちらをどうぞ

hoshi-hana.hatenablog.jp