戦場ヶ原の星空と撮影スポット 栃木県日光市
戦場ヶ原の星空について、実際に現地に行き見てきた、おすすめの観察・撮影スポットを写真や地図を使って解説します。その他、駐車場やトイレや現地の気候など役に立つ情報をまとめました。
栃木県日光市の「戦場ヶ原」は比較的光害の影響が少なく、標高が高いため、澄んだ綺麗な星空が広がります。都心から車で片道3時間程度で行ける関東屈指の星空スポットです。
【目次】
戦場ヶ原での星空撮影
栃木県日光市の「戦場ヶ原」は、都心から車で片道3時間程度で行ける関東屈指の星空スポットです。戦場ヶ原が星空スポットとして人気のある理由は、
- 光害の影響が少なく、夜空が暗いため、星が良く見える。
- 標高が1400m程度と高いため、澄んだ星空が見られる。
- 視界が開けているため、広く星空を見渡せる。
- 都心からの自動車でのアクセスがいい。
- 近くに中禅寺湖、華厳の滝、日光東照宮などの観光スポットや温泉があるため、星空とともに日中は観光も楽しめる。
などなど色々とあります。その中で、今回、1.~3.については、少し個人的に補足したいと思います。
1.の光害の影響については、南の空を筆頭に全体的に山際の空が明るいと感じています。肉眼で星空を鑑賞するときには特に問題なく、天の川まで見えるくらいですが、写真撮影をすると冒頭の写真のように空の低い部分は明るく写ってしまいます。手元も若干明るいため、暗闇に目が慣れてくるとライトで照らさなくても、いろいろな作業が出来たりします。関東では、ここ以上の暗さは求められないかなと思います。都心から近くて便利なことのトレードオフといったところです。
2.ついては、標高が高いことは良いのですが、山の天気は変わりやすいため、どうしても雲がかかりやすく、天候の見極めと雲の切れ間を待つ忍耐が必要になります。また、平地に比べて気温が低いため防寒対策が必須です。今回現地に行った9月18日で最高気温で比較すると、平地では30℃を超えましたが、戦場ヶ原では20℃程度でした。夜半過ぎには、車の気温計が11℃を指していて、この時期でも冷え込みます。
戦場ヶ原の日々の気象データとライブ映像は、「三本松茶屋」さんのHPで確認できます。
3.の視界については、戦場ヶ原が高層湿原だという案内が随所にみられるため、一面に湿地と草むらが広がっていると思っていたのですが、実際は林が広がっていたり、山が近かったりするため、視界が確保できる撮影場所は、そう多くないという印象です。
戦場ヶ原の無料駐車場と撮影ポイントについて
※2017年10月18日に情報を更新しました。
googleからマップを引用して、無料駐車場の位置を示しました。
MAPの緑色の部分が、戦場ヶ原の湿原が広がる部分です。
①三本松駐車場
国道120号線沿いにある広い県営の無料駐車場です。24時間使用可能で、駐車場の脇に公衆トイレがあります。ただし手洗い場がなく、手を洗う水がありません。代わりに消毒液が置いてあります。近くには、お店の専用駐車場もありますので、間違えないよう注意してください。お店の駐車場は営業時間が過ぎると閉鎖されてしまいます。
僕が行った日は、星空を見に来る車が夜半過ぎまでひっきりなしに出入りをしていました。新月に近く、晴れているという絶好の星日和だったのですが、イベント等がある訳でもないのに、ここまで人が集まっているのには驚きました。
駐車場もある程度視界が開けているため、東側の男体山方向の星空を撮影することができます。
駐車場から国道120号を渡り、少し歩くと戦場ヶ原展望台につきます。展望台は西側の湿原方向を撮影するのに向いています。
上の写真は、戦場ヶ原展望台から見た西側の夏の星空の様子です。
三本松駐車場はペルセウス座流星群の時期には、夜に駐車場が満車になるくらい人気のスポットです。
②赤沼駐車場
赤沼駐車場は、国道120号から少し入ったところにある県営の無料駐車場です。赤沼自然情報センターの横と国道を渡ったところに公衆トイレがあり、こちらは洗面器が設置され手を洗えます。
赤沼駐車場は、三本松駐車場に比べると星空を見に来るの車の出入りは少なかったです。ある程度視界が開けているため、駐車場から撮影できます。冒頭の写真は、赤沼駐車場にて撮影しています。東側と北側はライトの明かりが強いため、明かりを上手く避ける必要がありそうです。また、国道沿いに100m程度、三本松方向に歩くと下のパノラマ写真のように視界が開けてきますので、撮影ポイントになりそうです。
パノラマ写真の中央が北側、左側が西、右側が東の方向です。道路は、ほぼ南北に走っています。右側(東側)に見えるの高い山が男体山です。
③ハイキングコース沿い
戦場ヶ原をめぐるハイキングコース沿いの撮影ポイントについては、下の記事を参照してください。
’17年12月 冬の戦場ヶ原の状況については、下記の記事を参照ください。
天体観測用の赤色光ライトのリンク
天体観測中に必要な光が欲しいとき白色光は強すぎて暗闇に目が慣れるまで時間がかかるため、特に人の多い場所では赤色光のライトが好まれます。
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戦場ヶ原の場所と注意点
戦場ヶ原は、栃木県日光市の奥日光と呼ばれる地域にあります。
日光市街地から車で「いろは坂」を登っていくのですが、週末や観光シーズンなどは、「いろは坂」を抜けるのに数時間かかる渋滞になります。「いろは坂」は一方通行のため、途中で引き返すことができません。中禅寺湖まで上がって、下りの道で降りてくることになります。
渋滞に巻き込まれる可能性を考慮した時間の見積りや、「いろは坂」を登る前にトイレ等を済ませておくよう注意をする必要があります。
いろは坂の渋滞に巻き込まれたくない方は、近くの霧降高原の方で星を見るという選択肢もあると思います。
星空の解説
今回の写真は、撮影時にレンズの前にソフトフィルターを取り付けることにより、明るい星がより大きく写るようにしました。そのため、以前の星空解説では見つけづらかった比較的暗い星座についても、今回初めて示しています。
9月18日午後7時30分頃に、南の空の天の川と夏の大三角を写しています。写真の構図の関係で、いて座、ヘルクレス座、へびつかい座、へび座については、一部が見切れています。これまでに紹介したはくちょう座、こと座、わし座、いて座、さそり座以外にも夏の天の川周辺に多くの星座が配置されています。比較的暗い星で構成される星座は、街中では見つけられない為、星の良く見えるところへ出かけたときには、探してみて下さい。
夏の星座についての過去の記事
写真のような星空が見られる時間帯
下記の時間帯に南の方角に見られます。
5月 1日頃・・・・午前 4時30分頃
5月15日頃・・・・午前 3時30分頃
6月 1日頃・・・・午前 2時30分頃
6月15日頃・・・・午前 1時30分頃
7月 1日頃・・・・午前 0時30分頃
7月15日頃・・・・午後11時30分頃
8月 1日頃・・・・午後10時30分頃
8月15日頃・・・・午後 9時30分頃
9月 1日頃・・・・午後 8時30分頃
9月15日頃・・・・午後 7時30分頃
月が出ていると、月明かりにより星や天の川が見えにくくなります。
星空を見るときは、月の出時刻や月の入り時刻なども確認しておきましょう。
本日の月の出や月の入り時刻などが確認できる、国立天文台の暦のページへのリンクです。
星空に関連した本の紹介
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撮影に使用した機材の紹介
ポータブル赤道儀
今回の撮影に使用したポータブル赤道儀は、kenkoのスカイメモSです。(微動雲台、アリガタプレート、バランスウェートは使用していません)
ポータブル赤道儀を購入する際に、Vixenのポラリエと迷ったのですが、スカイメモSの形の方が一般的な天体望遠鏡用赤道儀と同じフォルムで安心感があったこともあり、スカイメモSを選びました。
実際にカメラ用三脚に取り付けて撮影しようとすると天体望遠鏡用赤道儀に比べ安定感がなく、大丈夫かなと心配になりましたが、現状では期待以上の結果を出してくれています。
※この手のポータブル赤道儀を使用してカメラで星空を撮影する場合は、三脚とポータブル赤道儀の固定用とポータブル赤道儀とカメラの固定用に2個の雲台が必要です。
カメラ
カメラは、Canon EOS70Dを使用しています。
星空の撮影をしていて、思いのほか役に立っているのがWi-Fi接続機能です。iPadやiPhoneとカメラをWi-Fi接続することで、iPadやiPhoneなどのスマホやタブレット端末からワイヤレスで基本的なカメラ操作(レリーズ、絞り、ISO調整など)ができ、撮影した写真の確認もスマホやタブレット上ですぐにでき、各値の調整に役立っています。
星空の撮影では露出時間が必要なため、以前であれば長時間、夏の蚊や冬の寒さにさらされていたのですが、ワイヤレスになったことでカメラのセッティングができれば、撮影は近くに停めた車の中から出来るようになりすごく快適になりました。
現在EOS70Dの後継にあたるEOS90Dが発売されています。
レンズ
レンズは、EOS70Dのキットレンズとともにシグマ10-20mm F3.5 EX DC HSMを使用しています。星空のみ写真ではあまり変化がないため、地上の景色と一緒に撮影する星景写真において、EOS70DのキットレンズEF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STMでは、星空と景色を一緒に広範囲にとらえきれないため、より広角のレンズを購入しました。その後、TOKINA AT-X 11-20 PRO DX CAFが発売され、星空の撮影用として評判が良いようです。
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